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レジェンド

ソチオリンピックもいよいよ大詰めを迎えました。色々な感動や名勝負がありましたが、このオリンピック、私自身のMIP(最も印象的な選手)は何といっても葛西紀明選手です。41歳にして、個人ラージヒル銀メダル、団体戦銅メダル。素晴らしいの一言です。私は大倉山ジャンプ台のある札幌市出身のため、小さい頃からスキージャンプとはなじみがありました。私が幼い頃は、「世界3強」と呼ばれたバイスフロク、ブレーデセン、ゴルトベルガーの3人がジャンプ界を席巻していました。そんな中、私が初めて名前を覚えた日本人選手が葛西選手だったのです。「天才少年」と呼ばれながら、その現役生活はまさにイバラの道でした。リレハンメル五輪では、団体金メダルを目前にしながら、原田選手の「世紀の失敗ジャンプ」でまさかの銀メダル。その後は怪我に泣かされ、葛西選手の代役で出場した船木選手は一気にスターダムにのし上がります。長野五輪でも怪我により代表から外され、その長野五輪で日本は団体金メダルを獲得します。その後、日本にとって不利なルール改正などもあり、日本ジャンプ界は低迷期を迎えます。その時、私は、「いつかまたすごい選手が現れて日本にメダルをもたらしてくれるはず」という淡い期待をもっていました。そして、時は流れて2014年のソチオリンピック。そこで日本に16年ぶりのメダルをもたらしてくれたのは、竹内選手でも伊東選手でも清水選手でもなく、私が小さい頃初めて名前を覚えた葛西選手だったのです。V字スタイルへの移行、リレハンメルの悲劇、長野の歓喜、ルール改正、そして低迷期。葛西選手は全てを見てきました。苦しいことばかりだったと思いますが、それでもコツコツと努力を積み重ねてきたのでしょう。今回のオリンピックで花を開かせた葛西選手に心の底から「おめでとうございます」と言いたいです。インタビューでのコメント、「金メダルという目標ができたので、また頑張りたい」・・・恐れ入りました。 P.S.葛西選手の飛型は本当に個性的でダイナミックです。「自分のスタイルを貫く」これこそが「一流」なのでしょう。